日本の漫画がヤバい件について

日本の漫画はすごいと思う。
すごいからこそ自分もここまでコミットしている訳だけれども。

ただ、最近ネットを見ているとヤバいというか非常に微妙な位置にいる気がする。

  1. 映画に比べて紙ベースのため規模が大きくないし、大きくなれない。
  2. 一応一人でも描けるけど商業誌並のクヲリティーではアシスタントは必須
  3. 事実漫画といえば商業ベースの物しか認知されていない
  4. よって描くための敷居はかなり高い
  5. 濃い内容も可能だが描くための読解には時間がかかる。
  6. 逆に楽しむだけでは非常に楽。
  7. 時間的制約がゆるく動画と違い簡単に読み飛ばせる。
  8. 視覚的要素があるため絵がまずいとそれだけで判断される。
  9. コマ割り、吹き出し、ネーム、ページ遷移という空間要素をうまく文法に合わせて構成する能力が要求される。
  10. 上に加えてそれなりの味のある絵をそれなりの量、それなりのクヲリティーで書く必要がある
  11. さらにシナリオも練る必要がある。
  12. Blogと違って現状統一フォーマットが存在しない。


要するに非常に高度で作業量が多い割に消費速度が短い。単位労力あたりの興味拘束効率があまりよくない。さらに能力要求水準が高いので中途半端な解はない(注目されない)

  1. 中途半端な絵
  2. まずいシナリオ
  3. まずいコマ割り
  4. まずい吹き出し

このどれかを満たすとまずい。ただ、描いたことのない人間は不味さは感じてもそうそう明確な指摘はできない。コーディングできないとコードを見てその中身のヤバさを分からないみたいな感じで。


とりあえずページ単位で見ても文章で1p埋めるのと漫画で1p埋めるには本質的に差があるような気がしてならない。漫画の方が情報量も減るし、かといって作業量は格段に増えるのである。さらにキーボードは数時間叩いてもそう肉体的疲労にはつながらないが絵を、漫画の絵を描くとそうも言ってられない。腱鞘炎になるんじゃないかという激痛に襲われる。


このフォーマットが生き残るためにはやはり

  1. 絵的、構成的に商業誌クヲリティーの作品を作る労力を下げる。
  2. もしくは単位時間にこなせるページ数を上げる。
  3. 誰でも簡単にWebで公開できる状況を作る。
  4. シナリオ構成を簡単に管理できるようにする。

これらを達成する必要がある。絵がかける程度では到底ダメ。漫画を書くのに訓練された人間が絵だけ描ければそれでよしでは意味が無い。ちょっと絵が書ける程度の人間が毎日一時間でBlogに1p上げられる程度で長編展開が可能でないとね。量が質に転換するように。今現在、自分はこの目標を実現できるプラットホームなりソフトを知らない。


これを埋めないと漫画のフォーマットは生き残れないと思われる。逆に何か映像作品や小説などのメディアミックスのハブになり得るという特性もある。だから、自分が曲がりなりにも身につけたフォーマットの書き方をなんとか存続させたい。


今、考えているのはブラウザ一つで漫画を書く方法。それも現行の商業紙ベースのやつを。ただ、Gimp-script-fuが片付かないとそちらに進めない。
うーむ。