Excelがダメダメな10の理由

仕事が忙しい。
いわゆるデスマーチ状態に近い。本当は家でコーディングをしたい。しかし、仕事が進まない。
ここ数日の自分の作業を見ているとひどく徒労を感じざる得ない。それもそのはず、ほとんどが自分が社会人として初めてこの業界に入った時から現場はまったく進歩していないことに気がつかざる得ない単純作業だったからだ。要するにExcelと言う万能ツールの間のデータを規則正しくコピペして書類を作る作業。そしてそれは非情に無毛。

今やっている作業は設計。
うちは下請けなので元請けの指示した書類を期日までに提出しなくてはいけない。そして元請けが指定した書類フォーマットはExcelファイルだった。そう、それはこの業界ではごくありふれたことでとくに変わったことではない。発注元のお客なら尚更使い慣れたExcelファイルを喜ぶ。だが、以下の理由でそれはNGなんだ。

ダメダメな理由10

1:ファイル形式
とにかくバイナリ。これに尽きる。そのせいで差分管理が非常に困難を極める。短期大量人員投入の現場ではかなり致命的。しかもミーティング等で人の出入りが激しいと目も当てられない。XMLで保存するとオートシェイプがいなくなるのでこれも無駄に難しい。
2:開いたら更新日時が変わる
排他ロック制御を行ってくれるのはありがたいけれども上の条件とあいまっていつ更新したか混乱する場合が多い。じゃあ無視を決め込むとデグレの温床になりやすい。
3:同じ名前のファイルを複数開けない
ね。新旧のファイルのマージ作業にこの問題が頻発する。一応先に読み取る方を新規作成しておけばいけなくもないが、そういった手間を要求する時点でNG。
4:ファイル構造が複雑
色々単体で使うには便利なんですが、これが不必要に自由度を上げてしまっているのでだめ。特に他システムとの連携と言う面では非常に厄介。そりゃ時間をかければねいけますけど。
5:重い
基本的に分化を防ぐためにファイルサーバー上のファイルを直接更新かけるのですが、これが重い。で、最近は便利なことに自動保存もあるのでそれがかかるとしばらく使えなくなる。まあその機能を切ればいいんですがそれも面倒。
6:保存先がファイル
根本的な問題で履歴追跡が出来ない状態が発生しやすい。しかもレイアウトがファイル単位で管理されているため実際に開いて印刷プレビューを見るまでは印刷状態を確認できない。これはファイルを一個一個手直しする作業が発生する事を意味する。
7:検索網羅性が低い
ファイルという存在であるのと複雑なファイル形式もあいまって非常に扱いにくい。タグをつけたり、更新履歴をみたり複数のファイルの内容を統合的に検索したり、整合性を突き合わせたりとDBMSを使っていればそう難しくもないことが非常に難しい。出来なくはないがデフォルトでサポートされていない。そして、犬に探しに行かせると帰ってこない。
8:リンクを張りにくい
最終的に客先に対して提出するフォーマットのまま作業を行っているのでそうそうリンクを張れない。貼ってもいいがメンテコストが非常に大きくなり現実的ではない。しかも、切れている場合はご丁寧にダイアログを出すので危険。Wikiというツールを知った今、リンクで参照指定先を見れないのは精神的に非常に苦痛。
9:バージョン違いが大きい
フリーではないのでおいそれとバージョンアップが出来ないし、バージョンを合わせないと結構互換性が低い。プロジェクト単位で環境の流布が難しい。特に数式やVBAなんかをギリギリまで使うと結構地雷踏むので厳しい。
10:タブ式管理ができない
タブじゃないのでタスクバーがえらいことになります。

以上
正直、レイアウトの手入れなんかは本質的にプログラマの自分の仕事ではないとおもっているが資料を提出してOKもらうまでで給料をもらっているのでやるしかない。
多分、他のプロジェクトではきっともっと頭のいい方法を使っているに違いないとおもうのだが未だに出会ったことがない。

お客から見ればコーディングが本業でない分Excel以外はありえないというのも納得できる。しかし、そのために日夜遅く終電間際まで残ってExcelでちまちまコピペを繰り返すのも何だかシュールなものが有る。なにより元請けの人間がこのことにあまり疑問を感じていないようなのがなんだか嫌な気分になる。自分が大企業にいきたくない理由もこれ。

この辺りを解決できたら多分作業時間は半分だろう。何とかしたいが時既にデスマーチ紺屋の白袴というか何というか、Google20%ルールの重要性はここなんじゃないかな。