漫画ネタ for Tia137

少しずつやらねば・・・少しずつ

--1---------------------------------------------------------------------------

場面は祭りだ
例大祭
祭りが始まり、祭りが終わる。

「ここに例大祭の開催を宣する」
ヤクザのような70m巨人族による武力で抵抗できないおしかけに困る地元市長
しかし、祭りの分け前を受け取らないわけにも行かない。
教育の内容にも口を出してくるし。
しかし言っていることは正しいし約束は守る。
「では去年の実績を、市長」
市長の挨拶はこの興業によって賄われる資金で
「えー学校の開設が10件、これにより10個の区うち5区で全児童収容が可能な」
どれだけ児童労働が減り、学校が開設、大学生が増えたかなどが謳われる
「と、言うわけであります」
「ありがとう市長。」 マイクを奪い取るヤクザ
「さあ、あなたのお金をばんばんかけてじゃんじゃん儲けよう!決して、決して無駄にはなりませぬゆえ!」
その前に続々とやって来る瀕死の巨人たち。
ここは70m巨人族がまともに通れる道の交差点
神輿に担がれしはその巨体の主、担ぐは稚児に見せかけた妖精サン
来る日も来る日も害虫退治に明け暮れる

回想シーン----

侵略性怪獣型異星系生物により戦争状態になった開拓惑星八千代 しかし、軽量元素が大半を占めるこの惑星では
文化復興が遅い。
技術最高責任者曰く 「鉱山が無いんだよ」
テラフォーミング以前に水がほとんどなかったからね、水脈がない」
「それに火山もない、プレートテクトニクスも死んでる」
「この星系が八千代の名にふさわしいほど古びて居るんだよ」
「幸い酸素と窒素、炭素、ケイ素は地面にあったから、このとおりだがね」
「水素と鉄から重い元素が貴重すぎて涙が出るよ。」
「ああラグランジュポイントに置いた機材で太陽風からの大気剥ぎ取りは軽減が進んでいる」
「奴らが居たって文明を失わなければ大丈夫なんだがね」
「え?亜空間ゲートが閉じたって?」
「じゃあ、当てにしていた物資は全く届かないのか?」
「もちろん、最終的には星系内の小惑星を掘れば調達はできるが」
「しかし、運搬船1隻じゃどうにもこうにも」
「なら、里に海水を引いてそこから抽出するか」
「結局、星系内移動用の核反応エンジンも2個しか手に入らなかった」

--2---------------------------------------------------------------------------

裏で
「ミーギー巡洋艦水無月〜」
「ひだーリー駆逐艦、白樺〜」


最高責任者将軍との会話 「この八千代には火山もなければ温泉もない」
「わかるか?事実上核融合用の元素は自力で集めるしか無い。便利なガス田とか無いんだよ」
「せめて太陽光発電設備だけでも量産を」
「ああ、金属が添加物が足りない」

「このままじゃ、ここは石器時代に戻るしか無い」
「本当に石しか無いんだよ」
「分かってます。長期戦です」
「長期戦って、奴らが居るんだぞ?」
「それは彼女たちに頑張ってもらつもりです」


「お嬢、活動可能時間は3分、カウントダウン開始」
「私だってやれるんだから」
視界に現れるカウントダウンセグメント数字


「ああ、そうだな。確かに博士が残した施設で量産が出来る。だが私にはあまり正しい選択には見えない」
「星間憲章じゃこのままだと犯罪行為だ」
「理解しています。希望者に希望の姿を与えられれば問題はないでしょう」
「しかし、我々はそのテクノロジーを既に失っている」

「幸い、この星系は奴らのおかげで閉鎖されています」
「・・・確かに。我々に裁きが下ることはないだろうな。」
「・・・。」
「しかし、そういう問題ではない。これは生き方の問題なのだ。」

--3---------------------------------------------------------------------------

「彼女らは生まれたときからあの巨体に、彼らはあの小さな体に縛られるのだ」
「・・・」

「一方で我々はのうのうと人間のまま庇護を受けながら生きている」

「しかし経済主体が居なければ」
「ああ輸入物資も社会資本0じゃ手に入らないからな」
「もう過ぎたことだ。星間連合もこんな星系一つじゃ簡単に見捨てるだろう」
「済いません」
「いい、ただ心残りはあの巨体と


「無理するなよ、相手は百戦90勝だ」ドドド
「私のほうがクラスは上、仕掛ける!」


「あのいびつな体に生まれた人々を本来の姿に戻す約束を果たせるかどうかだ」
「しかし、我々にも寿命があるのですぞ?」
「だからだ。小惑星から不足元素収集が上手く行っても100年」
「それに合わせて技術再開発に50年」
「我々の寿命は延命装置のない今の情況では届かない」
「その間、ゲートの向こうの星間連合がくるかどうかは分からないが、多分来ないだろう。」
「だがなんとしても、ここで文明を再興し、自力でゲートを、こじ開けるのだ。」
「世代を交代しても混沌に陥らず済む仕組みをなんとしても・・・」


「おーっと水無月、白樺の襟を掴んだ!」

「いけー!」「俺はあんたに張ったんだ」「そのまま投げちまえ!」
興奮する外野、伝わる体が浮き上がるほどの振動
白樺の口元が釣り上がる

--4---------------------------------------------------------------------------

ぐるん!
「回転?しまった」
「総員対ショック姿勢!」
「若い子は勇ましいねぇ」
回る視界
しかし、重力加速度が人間スケールと変わらない
ならば70mの巨体では同じ落下までに45倍
「先に手をついて姿勢を」
「おっと、やっぱり若い子だねぇ」
さっと足首を捕まれ一瞬のお姫様抱っこ
広がる爆風
「なんだこの落下速度は」
「なに!?」
ストンと両肩が背面から優しく地面にタッチする。

「決まり手は白樺の引き落とし」
舞い散る紙吹雪
「ま、その気が有るならまた来年な」

--5---------------------------------------------------------------------------

なにがなんだかわからない水無月
「え、何あの加速度」
「噂には聞いていたが、本当に奴は重力制御がリアクター無しで出来るのか」

控えに戻る白樺に元締めが声をかける
「相変わらずだな」
「なに、俺だけの能力じゃないだろ?」
「そのまま次も戦えるか?」
「問題ない」

試合は進む
「次の取り組みは〜」

控えで泣き崩れる 「わーん、負けちゃったよう」
「お嬢、気にすんな、相手が悪かったんじゃ」
「先輩たちに大見栄切って出てきたのに」
「落ち込むのもいいが、帰りの足分食っとけよ」

そこにアナウンス
「ではエキシビションマッチを行う」
ずるずると引きずり出される怪物
「え、アレって」

元締めより 「これは皆様ご存知、我ら八千代に住まう諸悪の権化であります。
しかし我々カンムスが居るからには心配ご無用」
「さあ一回戦敗退の諸君、君達の力を魅せてくれないか?」

--6---------------------------------------------------------------------------

「何秒で倒せるか!張った!張った!」
「やります」
「一人目だ」

「お嬢、どうする?参加賞は出るらしいぜ?」
(ピク) 「私もやります」
「私も」

「他には?居ないようだな」
「三人だ誰がやると思う?これも賭けだ」

「では離せ。他の者は観客の保護に当たれ」
「あいよ」

火砲が破壊された怪物が網から解き放たれる
どよめく観客席
咆哮がこだまする
「怪獣は今朝、採れたての生きの良いものでござい」
体積だけなら誰より大きい
しかし背は半分だ
「さあ我らがカンムスは一人は駆逐艦級二人は巡洋艦級、誰から仕掛けるか」
「おおっと駆逐艦夜露、最初に仕掛けるも浅い」

--7---------------------------------------------------------------------------

「お嬢、あと全力は出して1分だ、どうする?」
「行くよ」
「いつものように、いつものように」
「いつもって、こんな大物相手にしたこと無いぜ」
巡洋艦水無月、ニードロップだ、速い」
「おい、お嬢、まさか」

一撃で粉砕される怪獣

「流石1撃!カンムスの前に怪獣など敵にあらず!」

「的中は水無月だ!払い戻しは誰だ!」
「一分以内もだぞ!」
怪獣の残骸が他のカンムス達によって片付けられる
そこに群がる犬の群れ
「ああ、監視員はお気になさらず」

「エネルギーはさっきの重力操作ですっからからんだ」
「う、動けない・・・」
「帰るのは一週間後だな。でもお嬢、奨励賞はもらえるそうだぜ」
「そ、そう(よかったぁ)」

--8---------------------------------------------------------------------------

登壇する元締め
傍らにようやく開放されると胸をなでおろす市長
「皆楽しんでいただけたかな」
「諸君の掛け金は教育、研究に還元される」
「技術を復活させ、怪獣を駆逐し、そして星間世界へ復帰するのだ」
「そう我々の未来は明るく輝いているぞ!それではまた来年、ここで会おう!」
湧き上がる拍手


夜、幽鬼の様にうなだれた巨人が神輿を先頭にヨロヨロと歩いていく。
「お嬢、任地ですぜ」
「つ、着いたー」

「あらーお疲れ様、聞いたわよ」
「はい、これお土産です」

「済まないわねー」

「もう無理」ドスン。


貴重な2基の星系内航行エンジンを付けた70m巨人族
「軌道上、これより資源を投下します」
地上待機組
「了解、予定通り砂漠に落とせ。」
「了解、では射出」

それを見る下々の民
「あ、流れ星」