ネタ:201902

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うちの職場? うちの職場には美女がたくさんいます。

人間じゃないですけどね。 ちびっこもたくさんいます。

こちらも人間じゃない。

でも、彼女らが言うにはこの星に人間が移住してから人類の守護者らしいです。

らいしい?

もっと詳しく聞かせてもらえますか。

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やっぱり、あんた文屋でしょ?

わかります?

冴えないおっさんに話をきこうた、それしかないでしょ。

はは、

で何聞きたいんでしたっけ?

話してくれるんですか?

職場の方々のお話ですよ。その人間じゃない方々のね。私その手の話が好きなもんで。

ああ、

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ああ。そうかそうか。でも幽霊とかじゃないですよ。

もーわかってますとも。

まあ同じ職場の仲間といえばそうなんですけどね。

彼女らは任地と呼ばれる里からやって来るんです。どこでどう生まれたか誰も教えてくれないんですよ。

やっぱり美人?

そりゃもう。でもサイズが

サイズが?

ええ、70mなんで。美女なんですけどね。

ふふ、で、そんな美女に囲まれて羨ましいですね。

うーん其れは嫌味かい?70mだよ?

え?違うんですか。

まあ、どうだろう。

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そりゃ良い思いもしましたよ。揺れとか。でも人間じゃないんです。

この前なんて、帰り道の夜道で。

私、いくつに見える?

25、6かな?

1

...

9

...

17

18

残念!もう還暦!てね。

えーーー

彼女ら姿が年取らないんですよ。驚いちゃいますよね、自分ちの母より年上とか。

??

さっき70mとか。

ああ、分身、もうこの時点でわかんないと思うんですけど、70mの巨体とは別にもう一人ご本人がいらっしゃるんですよ。

??

瓜二つ。

瓜二つ。

はー

噂では、分身は何度死んでも蘇るらしいですよ。

そんな噂まで!

ま、噂ですけどね。でも二人同じポーズを寸分違わず取られると信じるしか無いですよね。

そんな事有るんですか。

そりゃ信じないといろいろ支障が有るからでしょうけど。

ほら、やっぱり。普通信じないですけどね。でも本当なんですよ。

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で、お仕事って何でしたっけ?

あー言っちゃて良いのかな。

いやいや、鎮守府の中なんてことは制服でバレてますよ。

あー職種ですか。私整備の担当なんですよ。

ほう、なに整備してるんです?

艤装、ってわかります?あの美女が背中に背負う船なんですけどね。

あれ、船なんですか?

ええ、作戦海域まで曳航する船なんですわ。

曳航ですか?

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そうです。雑誌とかじゃかっこ悪いから写真載せないですけど背負って滑走は燃費がとても悪いんですわ。

やっぱりあの滑走の勇姿はそうですよね。

だからあの艤装が船になるんですよ。でも背負う時は大騒ぎですけどね。しっかり固定できてるか、エネルギー供給路が漏電してないか。

そしてなにより敵の出方ですよね。モタモタしてたらやられちゃいますし。

でも敵も同じなんですよ。だから敵より早くできればOK、同じならセーフ。遅れたらヤバイですよ。

遅れるとやっぱり滅多打ちですか?

そうじゃないですけどまず体制立て直しに逃げないと。でもそうすると燃料が足りなくなっちゃいますよね。

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燃料、薪ですか。

いやいや、そんなもんじゃあの巨体を動かすにゃ足りんです。もっとパンチの聞いた奴をですね。

もしかしてお酒?

まあ似たようなもんですよ。ナフサとかケロシンとか高品質な奴を木材から合成するんですわ。そうすると圧倒的にカロリー重量比が良くなる。

そして液体だからポンプでいい、薪をくべる手間がいらない

というか、あのお嬢様方の背中で巻きをくべてろって言うのが無理が有るんですよ。

ちょっと方向転換しようものなら遠心力で壁に叩きつけられますからね。戦闘中ならなおのことですよ。

厳しいですね。

まあそれでも装填手に比べればまあ、あっちはどうしようもないですからね。

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そういえば、弾どうやって・・・まさか手で?自動化できないんですか?

其れについては試験中とは聞いてるけど、どうも精度と剛性が出る素材が無いとかで。

はー古代の文献にも無いんですか?

いや、有るには有るんですけどね、文献にはない何か、それを埋める時間がまだかかるみたいなんですわ。

じゃあ、今はどうやって装填してるんですか?

そりゃ人力で、重い弾頭と装薬を装填してるんですよ。体を木のアームに体くくりつけてね。

ほう。そりゃすごい。

そうでもしないとあの加速度の中で爆発物は危険極まりないんですよ。

でも不思議なんですよ。

え?

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どうしてそんな美女の姿で頑丈なのかって。だって人間の作る大砲じゃ失神させられても

傷一つ付けられないらしいですよ。

へえ本当ですか?

本当よ・

お話厨ごめんなさい・カクさん?

その声は・・・びく

おや、このお方は?

うふふ、お気になさらず。

やけに饒舌だったじゃない。なんのお話?

あ、そんな大した話じゃないですよ。

あなたに御用があるそうよ

あ、

子供?いや、妖精さん

格の字、お別れだ。

さっちゃん。本当かい?

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お知り合いで?

そうね。あの子、カクさんがここに来る前からずっと居るから。

え?

引退。私いくつに見える?

まさか・・・

そういうこと。

次に来るカンムスには俺のハトコが乗っててな、あそこの件は伝えてある。

名前は辰ってんだ、よろしく頼むぜ。

俺はお嬢が行くところには何処でもついていく。例え帰れねぇ戦場でもな。其れが妖精ってもんだ。

わかってるよ。さっちゃん。

格の字、元気でな。

さっちゃんもな。

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ここはあの食堂

おばちゃん水もらえる?

ずーん。(コップの水が揺れる)

おおう、そうだそうだ。

あれは?

ずーん、ずーん

わあああぁああああ

おやまたあなたですか?

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やっぱりすごいですね。そして美女だ。

ほら、アレが分身ですよ。本体と違う動きが出来るなんて。

隣の老人は?

あれは彼女の旦那ですよ。

二人で任地に帰るそうで。

あの背中のは。

退職金代わりの簡易艤装です。発電所でも工作所でも何でもできますよ。