漫画ネタ for Tia137

少しずつやらねば・・・少しずつ

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場面は祭りだ
例大祭
祭りが始まり、祭りが終わる。

「ここに例大祭の開催を宣する」
ヤクザのような70m巨人族による武力で抵抗できないおしかけに困る地元市長
しかし、祭りの分け前を受け取らないわけにも行かない。
教育の内容にも口を出してくるし。
しかし言っていることは正しいし約束は守る。
「では去年の実績を、市長」
市長の挨拶はこの興業によって賄われる資金で
「えー学校の開設が10件、これにより10個の区うち5区で全児童収容が可能な」
どれだけ児童労働が減り、学校が開設、大学生が増えたかなどが謳われる
「と、言うわけであります」
「ありがとう市長。」 マイクを奪い取るヤクザ
「さあ、あなたのお金をばんばんかけてじゃんじゃん儲けよう!決して、決して無駄にはなりませぬゆえ!」
その前に続々とやって来る瀕死の巨人たち。
ここは70m巨人族がまともに通れる道の交差点
神輿に担がれしはその巨体の主、担ぐは稚児に見せかけた妖精サン
来る日も来る日も害虫退治に明け暮れる

回想シーン----

侵略性怪獣型異星系生物により戦争状態になった開拓惑星八千代 しかし、軽量元素が大半を占めるこの惑星では
文化復興が遅い。
技術最高責任者曰く 「鉱山が無いんだよ」
テラフォーミング以前に水がほとんどなかったからね、水脈がない」
「それに火山もない、プレートテクトニクスも死んでる」
「この星系が八千代の名にふさわしいほど古びて居るんだよ」
「幸い酸素と窒素、炭素、ケイ素は地面にあったから、このとおりだがね」
「水素と鉄から重い元素が貴重すぎて涙が出るよ。」
「ああラグランジュポイントに置いた機材で太陽風からの大気剥ぎ取りは軽減が進んでいる」
「奴らが居たって文明を失わなければ大丈夫なんだがね」
「え?亜空間ゲートが閉じたって?」
「じゃあ、当てにしていた物資は全く届かないのか?」
「もちろん、最終的には星系内の小惑星を掘れば調達はできるが」
「しかし、運搬船1隻じゃどうにもこうにも」
「なら、里に海水を引いてそこから抽出するか」
「結局、星系内移動用の核反応エンジンも2個しか手に入らなかった」

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裏で
「ミーギー巡洋艦水無月〜」
「ひだーリー駆逐艦、白樺〜」


最高責任者将軍との会話 「この八千代には火山もなければ温泉もない」
「わかるか?事実上核融合用の元素は自力で集めるしか無い。便利なガス田とか無いんだよ」
「せめて太陽光発電設備だけでも量産を」
「ああ、金属が添加物が足りない」

「このままじゃ、ここは石器時代に戻るしか無い」
「本当に石しか無いんだよ」
「分かってます。長期戦です」
「長期戦って、奴らが居るんだぞ?」
「それは彼女たちに頑張ってもらつもりです」


「お嬢、活動可能時間は3分、カウントダウン開始」
「私だってやれるんだから」
視界に現れるカウントダウンセグメント数字


「ああ、そうだな。確かに博士が残した施設で量産が出来る。だが私にはあまり正しい選択には見えない」
「星間憲章じゃこのままだと犯罪行為だ」
「理解しています。希望者に希望の姿を与えられれば問題はないでしょう」
「しかし、我々はそのテクノロジーを既に失っている」

「幸い、この星系は奴らのおかげで閉鎖されています」
「・・・確かに。我々に裁きが下ることはないだろうな。」
「・・・。」
「しかし、そういう問題ではない。これは生き方の問題なのだ。」

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「彼女らは生まれたときからあの巨体に、彼らはあの小さな体に縛られるのだ」
「・・・」

「一方で我々はのうのうと人間のまま庇護を受けながら生きている」

「しかし経済主体が居なければ」
「ああ輸入物資も社会資本0じゃ手に入らないからな」
「もう過ぎたことだ。星間連合もこんな星系一つじゃ簡単に見捨てるだろう」
「済いません」
「いい、ただ心残りはあの巨体と


「無理するなよ、相手は百戦90勝だ」ドドド
「私のほうがクラスは上、仕掛ける!」


「あのいびつな体に生まれた人々を本来の姿に戻す約束を果たせるかどうかだ」
「しかし、我々にも寿命があるのですぞ?」
「だからだ。小惑星から不足元素収集が上手く行っても100年」
「それに合わせて技術再開発に50年」
「我々の寿命は延命装置のない今の情況では届かない」
「その間、ゲートの向こうの星間連合がくるかどうかは分からないが、多分来ないだろう。」
「だがなんとしても、ここで文明を再興し、自力でゲートを、こじ開けるのだ。」
「世代を交代しても混沌に陥らず済む仕組みをなんとしても・・・」


「おーっと水無月、白樺の襟を掴んだ!」

「いけー!」「俺はあんたに張ったんだ」「そのまま投げちまえ!」
興奮する外野、伝わる体が浮き上がるほどの振動
白樺の口元が釣り上がる

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ぐるん!
「回転?しまった」
「総員対ショック姿勢!」
「若い子は勇ましいねぇ」
回る視界
しかし、重力加速度が人間スケールと変わらない
ならば70mの巨体では同じ落下までに45倍
「先に手をついて姿勢を」
「おっと、やっぱり若い子だねぇ」
さっと足首を捕まれ一瞬のお姫様抱っこ
広がる爆風
「なんだこの落下速度は」
「なに!?」
ストンと両肩が背面から優しく地面にタッチする。

「決まり手は白樺の引き落とし」
舞い散る紙吹雪
「ま、その気が有るならまた来年な」

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なにがなんだかわからない水無月
「え、何あの加速度」
「噂には聞いていたが、本当に奴は重力制御がリアクター無しで出来るのか」

控えに戻る白樺に元締めが声をかける
「相変わらずだな」
「なに、俺だけの能力じゃないだろ?」
「そのまま次も戦えるか?」
「問題ない」

試合は進む
「次の取り組みは〜」

控えで泣き崩れる 「わーん、負けちゃったよう」
「お嬢、気にすんな、相手が悪かったんじゃ」
「先輩たちに大見栄切って出てきたのに」
「落ち込むのもいいが、帰りの足分食っとけよ」

そこにアナウンス
「ではエキシビションマッチを行う」
ずるずると引きずり出される怪物
「え、アレって」

元締めより 「これは皆様ご存知、我ら八千代に住まう諸悪の権化であります。
しかし我々カンムスが居るからには心配ご無用」
「さあ一回戦敗退の諸君、君達の力を魅せてくれないか?」

--6---------------------------------------------------------------------------

「何秒で倒せるか!張った!張った!」
「やります」
「一人目だ」

「お嬢、どうする?参加賞は出るらしいぜ?」
(ピク) 「私もやります」
「私も」

「他には?居ないようだな」
「三人だ誰がやると思う?これも賭けだ」

「では離せ。他の者は観客の保護に当たれ」
「あいよ」

火砲が破壊された怪物が網から解き放たれる
どよめく観客席
咆哮がこだまする
「怪獣は今朝、採れたての生きの良いものでござい」
体積だけなら誰より大きい
しかし背は半分だ
「さあ我らがカンムスは一人は駆逐艦級二人は巡洋艦級、誰から仕掛けるか」
「おおっと駆逐艦夜露、最初に仕掛けるも浅い」

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「お嬢、あと全力は出して1分だ、どうする?」
「行くよ」
「いつものように、いつものように」
「いつもって、こんな大物相手にしたこと無いぜ」
巡洋艦水無月、ニードロップだ、速い」
「おい、お嬢、まさか」

一撃で粉砕される怪獣

「流石1撃!カンムスの前に怪獣など敵にあらず!」

「的中は水無月だ!払い戻しは誰だ!」
「一分以内もだぞ!」
怪獣の残骸が他のカンムス達によって片付けられる
そこに群がる犬の群れ
「ああ、監視員はお気になさらず」

「エネルギーはさっきの重力操作ですっからからんだ」
「う、動けない・・・」
「帰るのは一週間後だな。でもお嬢、奨励賞はもらえるそうだぜ」
「そ、そう(よかったぁ)」

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登壇する元締め
傍らにようやく開放されると胸をなでおろす市長
「皆楽しんでいただけたかな」
「諸君の掛け金は教育、研究に還元される」
「技術を復活させ、怪獣を駆逐し、そして星間世界へ復帰するのだ」
「そう我々の未来は明るく輝いているぞ!それではまた来年、ここで会おう!」
湧き上がる拍手


夜、幽鬼の様にうなだれた巨人が神輿を先頭にヨロヨロと歩いていく。
「お嬢、任地ですぜ」
「つ、着いたー」

「あらーお疲れ様、聞いたわよ」
「はい、これお土産です」

「済まないわねー」

「もう無理」ドスン。


貴重な2基の星系内航行エンジンを付けた70m巨人族
「軌道上、これより資源を投下します」
地上待機組
「了解、予定通り砂漠に落とせ。」
「了解、では射出」

それを見る下々の民
「あ、流れ星」

Node.js v12でのメモリを開放するおまじない。

おまじないである。

「もしかして、こうするといいんじゃないかな?」的な場当たり的情報である。 尚、V8のエンジンのGCの挙動を追っている訳では無く、体験的に感じた話である。

前提条件

  • nodejsのv12での話。
  • ES2018ぐらいでclassを書いてバンバンWebpackで1ファイルにつなげている。
    • 内部構造的にはexportとimportが消えただけの状態
  • 巨大データを扱いたい。
  • 一応Chromeの開発者ツールで挙動は見たが・・・
    • ぎょーみんぐPCと言うのはメモリが少なくてな・・・
    • ぎょーみんぐPCは悪さが出来ないようにディスク容量も少ないのじゃ・・・

思ってたのと違う挙動

レキシカルスコープ宣言の変数、定数はスコープ抜けたらメモリ解放されるんじゃないの?

されませんでした。どうもGCが見に行って本当に使ってるやつ居ないよな?の確認が取れるまでメモリに乗っかってる。要するに何もしないとGCの時間がぐんぐん伸びて破綻します。

static宣言の定数(classの外に宣言する定数)は何時でも存在してるよね?

存在してません。代入後の評価が関数を挟んで数回に一回だと中身が空の場合が存在します。

オブジェクトプロパティを!!で評価するとundefinedの場合はfalseだよね?

trueの場合もあるよ? 何を言っているか分からねーと思うが、あの時、関数の引数に渡した値はtrueだったんだ。

で何をしたらいいの?

おまじない。おまじないを書くのです。

メモリ解放のおまじない

レキシカルスコープ変数、定数であってもスコープ内でやるとGCで引っかからなくなる。

// 配列の参照を消そう
const a =[];
a.splice(0,a.length); 

//オブジェクトも消そう
let keys = Object.keys(b);
for(const key of keys){
  delete b[key];
} 
keys.splice(0,keys.length); 
keys=null; 

//でかい文字列はletで宣言してnullを最後に入れる
let veryLongString='~なんかやばい分量の文字列~';
veryLongString = null; 
static宣言の定数は代入直後に参照しよう。

console.logに入れるのが簡単で安直だが、ログにゴミが溢れて困る。

const staticObj={};
const staticArray={};
class A{
  constructor(inputs){
     for(const input of inputs){
       staticObj[input.key]=input.value;
       staticArray.push(input);
     }
     console.log(staticObj); //オブジェクトはこうするしか無いが・・・
     console.log(staticArray.length); //配列は長さだけを見る。
  }
}
オブジェクトプロパティを!!で評価する場合は一旦定数に入れよう。
class A{
  constructor(inputs){
    // 変数に入れると扱いが変わる。
    const isExecutable = !!inputs.isExecutable;
    this.execute(isExecutable);
    // ↓はどうなるか分からない場合がありうる。
    this.execute(!!inputs.isExecutable);
  }
  execute(isExecutable){
    if(isExecutable){
      console.log('isExecutable!!!'); 
    }else{
      console.log('isExecutable?'); 
    }
  }
}

なんでこれを?

v8、v10の頃にはなかったんだけどなーがあって、急に出てこられるとかなり焦る。次はv14、v16なのである。さて次の最適化では何が変わるのか。

Webブラウザで画像にファイルのバイナリデータを入れる。

感想

うん、Twitter経由で画像を使ったファイル交換(暗号化、伝達用QRコード付き)が出来た。出来たが思ったのと違った。

togetter.com

github.com

HTML+js+cssのみで鯖は要らないので、デモページか、zipを解凍してブラウザでHTML開けば使えます。

動機

むしゃむしゃしてやった、草なら何でも良かった。ではなくー

このツール自体はGoogleAppleWebサービスを無条件に信頼してしまっている大半の人には無用だと思う。 とは言え、いつかその牧歌的な世界が終わる可能性が有ることをyoutube-dlは教えてくれたので作ってみた。

www.itmedia.co.jp

ファイルが画像になると嬉しいこと。

  • 画像ならアップロードできるサービスが多い。
  • 画像だよ?ファイルじゃないよ?と迂回できる。

実装上の注意

さて実装を進めていたのだが、問題にぶち当たった。

アルファチャンネルは使えない

まず、画像はビットマップ形式で存在する。ビットマップだと1ピクセルの画像表現ならRGBA、 Red、Green、Blue、Alphaの各8bit=1byteの計4バイト、32bitでいけるやん!と皮算用していたのだが、 いざ、32bitで、Alphaチャンネルを使うと画像に入れたデータと画像から取り出した数字が違う。

理由は簡単で、アルファチャンネルはRGBに対して最終的に計算して表示する値で、 表示用のRGBデータがCanvas上に存在する。そのCanvas上のデータを引っ張り出すと、ブラウザが「こんな値だったら表示のデータになるぜ?」等と 入れた値とは異なる値を出してくるのである。まあ、そりゃ画像としてはそうだよね。うん。何も間違ってない。

似たような質問はじゃんじゃか上がってる。その一例。 stackoverflow.com

じゃあどうするか。

単純にRGBだけ使えばいい。 32bit使える!と皮算用していたが、利用範囲は24bitにしなければイケない。アルファチャンネルは255=透明度0に設定する。なお、透明度Maxにすると全部データが0、白飛びするのであった。

他にも必要なこと。

Twitterで900x900だとPNGJpegにならない。なので900x900の画像サイズにするのだが、問題はあって、 900x900のサイズにピッタリ合わない場合はどうしたらいいの?と言う問題。 今ならそこだけアルファチャンネル0にしたらいいよと言えるんだけど、日和った私はBASE64にすることにした。

BASE64にするとデータ格納量は本来256通り、8bitを使えるところが64通り6bitに縮退する。 一方で、DataSchemeで取り出せばアレヤコレヤは必要ないので便利でもある。なので足りない部分は","でPaddingにしている。 また区切り文字を使えるので、ついでにDataSchemeに加えファイル名もBASE64でカンマ区切りで格納した。 あと、カンマでのPaddingだが、そのままくっつけるとPNGの圧縮最適化に飲み込まれてカンマが上手く出てこない。マジかよ。 仕方ないので100byteほど、データ部とパディング部のカンマの直後にランダムなデータをくっつけることで上手くいった。

結局どれぐらいデータ入るの?

画像の総ピクセル数x3 byte のBase64(3/4倍)になった。圧縮率が3/4倍ぐらいなので、実質圧縮されない。うーむ。 本当はデータをBase64に変換する前にdefrateを使えばよかったんだろうが、そこまで手間をかける意味を見いだせなかった。多分圧縮ほとんどされないと思われる。

それよりもアルファチャンネルを区切り文字に使ったほうが有益だったかかもしれない。 900x900だと、論理値は900x900x4byteで画像四枚なので13MB弱。現実はまあ7.3MBぐらいかな。パスワードで暗号化をかけてもあまり差はない。

なお、Twitter前提なのでこの数字だが、900x900限定ではなく、1200x1200とかフォームから設定できるので もっと太っ腹なサービス経由ならこれも有りだと思う。

QRコードについて。

ここに超便利なjsが有るのだが、ES3レベルの記述なので、ESLintで真っ赤になってどうしようもない。これWebpackに入れづらいやろ・・ ※一応varをletにして!=と==を!==と===に直せば大丈夫。

github.com

ES2017レベルにリファクタリングした。

github.com

ESLintでも赤くならなし、classで記述してるから使いやすいよ。 Webpackで取り込んでしゅって使えるはず。MITライセンス万歳!

マンガネタ202011+1

目標は絵本チックに締めたいのである。 むかしむかし、ある所に誰も住んでいない星が有りました。 そこに星間ゲートウェイを開設してやってくるは若き日の将軍様。的な

絵本「カンムス年代記

1P

「むかしむかし、ある所に誰も住んでいない星が有りました。そこに星間ゲートウェイを開設して最初にやってきたのは若き殿様でした。」

「星間ゲートウェイって何?」

「トンネルみたいなもの?よくわかんなや」

「それが有るとどうなるの?」

「はるか遠くの星と行き来が出来るのよ」

「今はそれはないの?」

「うーんカイジュウが暴れまわったから、向こう側の人達が怖がって閉じちゃったわ」

「こっちから開けないの?」

「それはまだ、いろいろ準備が必要だから先の話だねー」

「ふーん」

「じゃあ、続けるね。殿様は仲間たちと日本を再興を考えて居ました」

「日本って何?」

「質問が多いわね、今のこの仮想空間みたいな国かな。」

「へー。ここ日本なんだ」

「って事になってるわね。じゃあ続けましょうか。」

2P

「殿様はこの星を八千代と名付けられ人が住めるように改造しました。」

「それでここ八千代って言うんだ!」

「そうね、」 「八千代って名前はこの星がずーっと長く続きますようにってね。でも、人が住めるように星を改造するのにお金かけすぎてとっても貧乏だったのでした。」

「どれぐらい貧乏だったの?」

「どれぐらい貧乏かと言うと、毎日ご飯が食べられないぐらいでした。」

「うわぁ」

「あ、ご飯ってお米ね。」 「それでも殿様は日本を再興するためコツコツ頑張って開拓をしていました。」 「でもそこにカイジュウの方舟がやってきたのです」

「なんで方舟なの?」

カイジュウの方舟は、カイジュウの星から打ち上げられて八千代を狙ってやってきたのでした。そして中にはカイジュウ以外のいろんなカイジュウの星の種族の種も一杯入っていたのでした。」

「え?カイジュウの種もあるの」

「あるわよ。今度、博物館に見に行こうね。」

「へー、カイジュウの赤ちゃん見たい」

「それは駄目。先祖がどれだけ苦労したことか、あなたも大きくなって任地に行けば分かるわ」

「ふーん。」

「はいはい続きね。」 「方舟の中の種は育ちカイジュウがいっぱい現れました。けれども殿様の兵隊たちはカイジュウをやっつけることはできませんでした。」

3P

「小さな人間の武器は大きなカイジュウに殆ど効かないので、兵隊も逃げ出す有様でした。これを見た殿様はこのままカイジュウ達に八千代を取られちゃうと困ってしまいました。」

「取られてないけどね」

「ほら黙って。」 「そこへ殿様に助け船が現れました。口の達者な怪しい商人です。なんでも安くカイジュウを退治出来ると言うのです。」

「でも、殿様はこのような商人にはうんざりしてました。なにより元々貧乏だったので本物の強い武器は買えなかったのです。寄ってくる商人風の者は詐欺ばかりでした。」

「さぎってあの白い鳥?」

「違う違う、嘘付いて騙す人のことよ。」

「なーんだ悪い人じゃん」

4P

「殿様は商人の言う品は禁断の黒魔術、自動マイクロマシンかと疑いました。」 「黒魔術は勝手に武器が生えて来る魔術も使えるのです。そんなことはみんな分かってました。でも黒魔術は星間政府によって禁止されていたのです。」

「そんなに便利なら使えばいいのに」

「禁止にはある事件がありました。その昔、ある星で黒魔術が使われました。でも黒魔術は勝手に武器を作って人々を奴隷にしてしまったのです。」

「どれい?」

「奴隷は人々が鎖に繋がれて自由が無くなる事なの。」 「それを知った星間政府は黒魔術ごと星を太陽に落とす事に決めて、そして実行してしまいました。それしか黒魔術を止める方法がなかったのです。」

「黒魔術怖い」

「大丈夫よ、ここには無いわ。」

「殿様は商人に聞きました。売る品は黒魔術じゃないのかねと。」 「商人は言いました。いいえ、黒魔術なんかじゃありません、ちょっと人間のサイズを変えるだけですと」

「それがカンムス?」

「そうね。でも殿様は信じませんでした。そんなうまい話が有るわけがないと。」 「そこで商人は本物を見せるために博士と私達の大先輩であるレディを呼んだのです。」

「そっから知ってる!」

4P

「軌道上から舞い降りたレディとその手に乗った博士は殿様の眼の前で軽やかにカイジュウを三枚おろしにしてみせました。」

「三枚おろしだ!」

「それを見た殿様は感激して、この巨人を大きな船のような娘、カンムスと名づけて、作ることにしたのです。」

「私達って作られてるの?」

「そうねぇ。でも私達はみんな、殿様や博士もレディと同じ人間よ」

「ふーん」(納得行かない顔)

「殿様はなけなしのお金を使って5人の勇者をカンムスに転生させました。5人だったのは反乱を恐れたからでした。」

「反乱って?」

「殿様の言うこと聞かない、殿様より偉い!って乗っ取ることよ」

「殿様悪い人なの?」

「いいえ、違うわ。」 「それはカンムスがカイジュウよりとっても強いので怖くなったからでした。」

「でも博士は困りました。たった5人じゃカイジュウを全部退治できないのです。衛星写真から5人のカンムスが退治するより多くカイジュウが別の大陸からどんどんやって来てしまうことが分かったからでした。」

「どうしたらいいの?」

6P

「そこで博士は殿様に言いました。もうカンムスを生産拠点”里”を作ってカイジュウよりいっぱい作っちゃいましょうと。」 「殿様は驚きました。」 「貧乏な殿様はそんなお金はもう無いと思ったのです。でも博士は全部の財産を捨てればそれは出来ますと言いました。」

「全部捨てちゃうの?」

「全部の財産をカンムスの里、今のここを作る事に使ったらという意味ね。その辺に捨てるわけじゃないのよ。」

「それでここ出来たんだ!」

「殿様は初め決心が付きませんでした。そのころ星間ゲートの向こう側は違う理由で困っていました。カイジュウが星間ゲートウェイを通ってやってきたらどうしようかと。」

カイジュウそんなに強いの?」

カイジュウはそこまで強くはないの。」 「なぜならカイジュウを調べたところ、カイジュウの細胞がやってきたら地球の生物は負けてしまうことが分かったのです。」

「でもここには人間も居るよ。みんな同じ人間なんでしょ?」

「一緒にしたらダメなの。ここには監視員サンも居るでしょ。私達と彼らが居ないと地球から来た生き物はカイジュウに負けて殺されてしまうのよ。」

カイジュウ実はそんなに強いんだ」

「そうよ。」 「そこでゲートウェイの向こうでは、カイジュウに負けた土地から人が来たら、体の隅々まで消毒、体を作り変え無い限りゲートウェイの通過は出来ないようしました。もし殿様が負ると分かったらゲートウェイを閉じる事に決めてしまいました。」

「どうなったの?」

7P

「殿様は決心しました。」 「殿様は日本を復興しようと八千代にやってきたのでしたから、ここで逃げずに戦えるのならば戦って見せようと。」 「でも、それは暫くの間、首都”京”をカイジュウに渡してしまう事でもありました。」

「それじゃ」

「そうね、心配してることが起こっちゃったわ」 「首都”京”の中にカイジュウが突進する姿を見たゲートウェイの向こう側の人々は殿様がもう勝てないと確信しました。そう、”京”でカイジュウが暴れまわったその時、ゲートウェイは閉じられたのです。」

「もちろん、殿様は負けるつもりはありません。暫く防戦のあと、博士と作った里からカンムスが続々と転生して来るとカイジュウを”京”から追い払うことが出来たのでした。」

「やったぁ」

「その後もカンムスは次々生まれて八千代の隅々まで広がっていきました。そのカンムスの居る場所を任地と今では言いいます。」

「殿様と博士は今どうしてるの?」

8P

「その後20年ほど経って、殿様はこの八千代でカイジュウ退治が順調なのを見届けると息を引き取りました。」

「死んじゃったんだ」

「そうね、始まりが有れば終わりも有るのなのよ」

「博士は?レディは?」

「博士とレディは記録に寄ると里が順調に動き出したら旅立っていきましたって有るわね」

「なんでもカイジュウの生まれ故郷を探しに行ったんだって。」

「博士とレディは帰ってくるかな?」

「そうねぇ、100年以上も昔の出来事だからもうわからないわね。」

「ちぇー」

「じゃあ、もう寝なさい」

「はーい。でもお歌歌って」

「いいわよ」

--終わり--

マンガネタ202011

やはり、ジョニー・ライデンの帰還的な ノリがええな(※漫画は入手できていない) ほしいものは経緯の状況である。 英雄はいらない。

設定

パシフィック・リムカイジュウがちまちまやって来るんじゃなくて一気に戦線を組めるぐらい地面から湧いて出てきた場合を考えたい。 除草剤も病気も効かない、恒星間大航海時代に開拓植民地の治安維持部隊しかいないサプライチェーンが貧弱な世界でカイジュウがワラワラ湧いてくる。

ついでに腐海みたいな付属生態系までセットで湧いて出てきて、巨大カイジュウが先陣を切って侵略して来るんだけど、それ単体だと砲兵等で始末は付けられるんだけど、費用がかかりすぎてて辛いと。 マイクロドローンで近接地雷の適用を試みるも付属生態系の虫によって無効化される。

この侵略生態系はハビタブルゾーンに存在する、同じレベルの種族を一掃する戦略を持っており 事実上の戦線構築をしてローラー作戦を仕掛けてくる。 動くもの、特殊な敵味方識別手段をパスしないものを植物を含め駆逐する 一部には抗体のように主敵を選別し駆除する系も存在する。

地上に見えない網の目のような菌糸体を広げて太陽光を摂取し、 地下で巨体を作り上げて突如出現するカイジュウ、 主に初期の競争相手が少ない乾燥地に多く、地下水脈を掘り当てて侵攻体制を整えてから一気に畳み込む 実際のコンフリクトが発生して障害となる存在への再最適化を実施する。

カイジュウ達は方舟と呼ばれる播種船状の種に入って星間移動してくる。 自転軸に対して一周する常に太陽光エネルギーが途切れない日の沈まないエリア、大陸一つを制覇するような状況になれるまでは衛星軌道上に播種コンテナを打ち上げないが、全球制覇すると軌道エレベータを構築し方舟をバラ撒く。

ある程度橋頭堡確保をすると方舟を打ち上げ能力を確保 第二戦線を開くべく、大型の飛行虫で構成された偵察部隊の報告(光学発信とフェロモン)により、軌道周回上から別の大陸の砂漠へ方舟を打ち込む。 ただし、カイジュウの体の構築には時間がかかる上に地下水脈を絶たれると崩壊するのだ


そして出会う。

そんな存在とテラフォーミングが完了した植民地惑星を人類との取り合いが発生する。 勿論、人類側はさあ、フロンティアで好きなこと出来まっせと恒星世界各地から食い詰め者が集まる西部劇さながらの土地に カイジュウとその眷属が出現する。 当然、対抗して戦闘が始まるのだが、カイジュウ側が有利に戦況はすすんでいく。

そう、人類側にそう対抗手段が無かったのである。

致命的だったのは、アカデミーの研究職の予算不足と初期の侮りだった。 多くの犠牲をだして負け、2個の大陸が陥落した後、それも第5戦線が発生した時に方舟の存在が証拠によって確認された。 すでに戦費で植民地政府は赤字状態であり、ここでやっとこれ以上の戦線が発生した場合には破綻が待っているということが政府首脳陣の共通認識になった。

近代科学をもってしてもこの苦戦はカイジュウのサイズが問題なのだ。既存の対人間用兵器群とはあまりにも咬み合わないサイズ、人類であれば兵器運用など考えもしない突拍子もないサイズと侮れない運動性能、そして火砲にも耐えうる装甲がそろっていたのだった。 また飛行虫もサイズが厄介な上に数が多い。 まるで虫のように湧いて出てくるし、飛行性能がファンネルの様に高く、体当たり用の角とレーザー兵器を搭載している。 安いミサイルだとまず当たらない。 近接信管ではあまり効果がなく、焼夷弾でようやく殺せるという有様。

カイジュウを育む彼らは彼らなりに人類のような恒星間移住文明との交戦経験が有るらしく、 軌道上での脅威排除機構や恒星間移動時のカモフラージュ能力などが高く、それ故、最初の方舟の着弾を見逃してしまったのだ。

圧倒的な攻勢の前に正規戦正面装備で劣る植民地惑星軍は敗退を重ねる。確かに兵器工場はドンドン建設され、兵器は生産されたが運用が不味かった。

既に効果が微妙な兵器が大量生産され、試作品の山からは希望が出てきそうには無かった。 唯一、戦場の女神、砲兵火力だけは絨毯砲撃により彼らの進撃を遅滞させる事が出来た。 が、常に放り込まれるエネルギー効率は推して知るべし。戦線を迂回され、徐々に押し込まれつつあった。


現地政府の事情

移民惑星とは、そこに降り立った者達は既に帰る場所もない裸一貫の移民が大半であり、人権条約で有用性が保証されたお客の候補なのである。 彼らにはここで開発をしてもらい、金を稼いで借金を返してもらわねばならない。 その借金取り、出資者からの圧力はこのカイジュウ騒ぎ以前までは天命の理と言わんばかりに存在したが、カイジュウが湧く件が伝わると産業に使えないか皮算用を始めたと思うと、現地政府の負けがこんでくるに従い鳴りを潜めてしまった。

この混乱、政府への信用失墜は一部の人買いが降り立ち問題視されたが実の所、恒星間世界にはまだまだ魅力的な未開の惑星は存在しておりこの惑星にこだわる理由は希薄だった。 数有る失敗案件の一つと格付けされると一気に大口出資会社の回収熱は冷めてしまった。 追加融資はしないし、ただ見かけだけは派手だったので賭博の見世物になっていくのであった。

一方星間統治機構「同盟」は違った。

この伝染病とも言えるカイジュウの方舟を星間伝播させないように封鎖する事に決定した。 とは言っても方舟は超光速移動が可能な訳では無いので監視所を設けるだけであったが、 同時に今までの野放図な移動に制約がかかる事でもあった。 何処かの道楽金持ちが方舟を密輸しない保証は無いのだ。

サンプルからカイジュウのDNA相当を確認した所、地球型生物を駆逐する存在、より上位の高効率型生物と判明した。 同じ環境に地球型生物と彼らを競合させても地球型生物には勝ち目がないエネルギー効率なのだ。 そのため、急遽厳重に検疫が成される事態となった。 当然各種違法薬物や武器の密輸などのが通過できず、一気に星系は資産価値を減じてしまった。

この情況では結局、人権を持った人間は貴重なので移住の意志がある人間に関しては即座に移動しないとと言う資産家が居る一方、 星間移動はDNAクレンジング費用がかかると言うお達しが出る。

DNAクレンジングとは汚染地域に居た人間を解体の上、該当生物を含まないよう分子レベルで消毒をされて再構成されるのだ。 勿論、この高価な費用を誰が持つのかで揉め始めた。


人権の価値は

恒星間超光速移動が有人で可能になった時代、技術力はいったん人間の価値を貶めてしまった。

人間は不老不死を獲得し、意識の移植さえも出来、粘土のようにエネルギーから人体をプリントアウトすることさえ出来た。 その上で、何が人権を保証するのかが重要なのだった。 それは、人工的に生まれた場合は後見人が居なければならず、教育の義務が課せられる、その義務履行だった。

勿論、勝手にポコポコ人間を作る馬鹿は後を絶たず、 成人時点で人語を話せて教育を受けていれば人権が保証されるし、 もし、そうでなければ後見人が居なければ人権は保証されない事になる。 逆手に取る馬鹿が当然出てくるので、結局しばらく悲惨な事件をそれなりの数記録を積み上げて、境遇に満足しない、自由意志を表明できるまで緩くなる。

皆思うわけである、わざわざ人間を以て何かをさせるのが間違っているのであって、同じことをさせるなら機械にさせればいいのだと。 が、人間という原種を保護するインセンティブだった。 実際の所、人権を保持しない意思決定機関は法人と言う形で存在しており、超人的能力を以て人権を持つ人間を雇って好き勝手させていた。

人権がことさら重要になってしまったのは機械による暴走で一星系を壊滅に持ち込んだ事件があった事が大きかった。 あの事件以降、自己増殖する機械に強大なパワーを持たせることは星系を丸まま殲滅させられると同義になった。

あの事件では恒星間統治機構「同盟」はありったけの軍を動員し、反物質爆弾で惑星表面を焼き上げた後、 惑星を減速、そのまま主星へ衝突処分としたのであった。 もちろん、元あった場所から重力源が消滅したので星系の惑星軌道は撹乱を始め、居住惑星どころか他の惑星も開発可能期間が大幅に短くなるなど、星系は恒星エネルギー源以外に資産価値をほぼ失って甚大な被害を与えて投資会社を震え上がらせた。

あの事件の星系に居る人間の惨状を以て人類は上位知性の苗床に過ぎないを再確認した以上、機械任せは禁忌となったのであった。 其の結果、星間条約には 機械兵器を運用するからには兵権を握る存在=人権を持つ者が最終決定権を持つ、と証明がされない場合は、兵権を持つ機械が恒星間進出能力を獲得する前に星系ごと反物質爆弾で焼き尽くすという野蛮な解決方法が定められた。

そう、シンギュラリティ自体は既に過去のものとなって久しい。 だが、結局ロボット3原則は形を変えたものの生きているのだった。

少しでもいい、人間が主人公の世界を存続させるために。


恒星間移動

恒星間世界とは言え、まだ艦船に搭載可能なワープゲート、ゲート自身が生成する空間で自身が通過できるものは存在せず恒星間移動は恒星エネルギーをふんだんに使ったワープゲート単位で行う必要があった。 それでも、光速の数割までの速度で人類圏の拡張は続いていた。

そうして数百年、ワープゲートの設置により、ほぼ太陽系内にすべての星系の居住惑星がひしめくような雑多なネットワーク空間が形成されたが、同時に大小の戦争も繰り返していた。 一方で拡張は永遠のフロンティアを提供し、ゲートの向こう側は法があるようでない中世もかくやの世界が広がっていた。

一応、深宇宙探査船、それもかなり高価で大型なものは、使い捨てゲートを使うことで未開拓星系への光速突破航行がはできなくはなかった。 が高価すぎて、惑星を確保できるほどの価値を生む場合にのみ主に使われるのであった。 星系の領有は最初のゲートの開設によりほぼ決定づけられ、それが開拓の大きな原動力にもなっていた。


防衛戦

さて件の惑星である。 ここには日本を祖とすると自称する新興宗教団体がゲートを開設して占有権を獲得した星系である。 惑星自体はありふれた物で、すでに全人類の人口自体が惑星の居住面積に対して地球の石器時代以上に希薄になりつつある時代であったので、ここも人口は西部劇以上に希薄だった。 通常、人口を増やすべく人体錬成をするのだがその金もなく、自然人口増加に任せるよりしかたなかった。

しかし、情報の統制は日本をお手本としているのか無かったため、めぼしい能力が有っても恒星世界の栄える中央の大学に行きたい等と言って抜けていく、過疎の問題は付きまとうのであった。 一応、自由主義ではなく新興宗教の理想とする日本を構築すべく独自色を出すのだが、それは逆に新世代には不評であった。

新興宗教団体が持ってきた惑星開発の持参金はゲート開設とテラフォーミングにほぼ費やされ、あまりの貧乏さに恒星間移動をした先で開拓は人力で行う有様だった。 それでも腐っても星系主なので、一応資源の切り売りなどで収入はある、しかし大規模なイケてる開発にはなかなか手が付けられないのであった。

そんなこんなで70年ほどたったある日、カイジュウに見舞われる。悲劇である。

この時点で惑星開拓政府には選択肢はあまりなかった。

  • 戦艦を建造したいが工業力がない
  • 強力な戦艦は購入したいが資金がない
  • 仮に購入できてもメンテナンス費用を払えない
  • 発注を今からしても間に合うか分からない
  • 宇宙海賊等の外部勢力を抱き込むのは自殺行為

という状況であった。

仕方がないので、工業機械を転用したエネルギー兵器を使うがいかんせん、ユースケースが違うのでカイジュウに射程等挙動を学習され無効化されてしまう。 窮地に立った現地政府は死にものぐるいで、火砲兵器軍を急造しなんとか押し込まれながらも費用対効果で持続可能な戦線の構築に成功する。 それでも一瞬の火線の隙きを突かれて戦線はじわりじわり押し込まれていった。 特に砲撃の隙間をかいくぐって地中から坑道をすり抜けてくる連中の存在が厄介でどうするかのか論戦がおこったが もう、奴らへのまともな妨害構造物を作るには何もかもが不足していた。

結局、費用対効果上

  • 自律的に動いて
  • 自力でメンテナンスをして
  • ふんだんに有る太陽光電力で可動する
  • できれば資源を食わない

兵器が要求されたが、そうなるとマイクロマシンによる機械生物をAIに繋いだ代物が適当だと誰しもが思っていた。 しかしそれが制御不能になれば自動増殖する分手が付けられなくなり、惑星滅殺処分であったあの事件の再現が危惧された。

そして、戦況不利が濃厚になるのと同時に「同盟」より侵略生物の感染性から汚染地区からは「解体洗浄」をしなければ星系から出られない事態が議題に上がっている事が発表され、見切りをつけた住民の脱出が始まってしまう。

これは現地政府を大いに慌てさせた。


売り込み

そんな折、素っ頓狂な提案を行う人物が星系にやって来る。 なんでも、巨大人造人間を導入するといいと。 人造人間はしっかりと仮想空間で教育を施す人間故、星間条約では人権が保証されると。 ついでに、メンテナー「人間」も用意すると。彼らも人間であると。彼らのみでメンテナンスフリーで可動できると言うのである。

更に言うには

  • 「勿論、必要な物資等が有るけれども強力な消化能力で低品質でも問題なし。」
  • 「エネルギーさえ有れば火薬もなしに怪獣を解体できる」と
  • 「建造も船舶用ドックで1ヶ月もあれば建造できる」と
  • 「メンテナー人間も勝手に増殖する」と

このあまりにも魅力的な提案に政府は食いつかざる得ないのであった。


役人「ふむ。魅力的な話だが、これは少々我々人間の種族的尊厳に問題が有るのでは?」

売り込み人「しかし、こう言っちゃなんですが他に手がありますかねぇ」

役人「失礼な、まだ手は残っている。今新式の兵器を準備中だ」

売込「そうは言っても、数カ月後には「同盟」連合軍がゲートの先に検問を設けると聞いたら何人残りますかね」

役人「本当なのか?」

売込「まあ私は代理人なんでね。噂、ですよ。」

せわしなく電話をかける役人

役人「お目通りしてくださるそうだ。こっちだ。」


重厚な和室な執務室。 この惑星開拓政府にはトップに 自称「源氏の傍流」が居て、征夷大将軍を自称しているのだがなんのことはない、口の達者な歴史好きの実業家である。流石に天皇は許せなかったらしい。

将軍「成る程、一体ぐらいなら」

役人「しかしドックを数ヶ月専有は・・」

将軍「よい、コストじゃ、コストを言え」

売込「これを」スッ

将軍「ほう!こんなので出来るのか?」

売込「発案者の見立てでは、ですがね」

役人「しかし、倫理的な問題がありまして・・・」

細かい聞き入る将軍

将軍「人身御供を出せとな?」

売込「将軍様、外部の介入を招かず軍を整えようとするにはこれしかないですぜ?」

将軍「・・・」

売込「このプランの肝は人権なんでね」

将軍「あの事件か」

売込「星系主なら同盟はゲートの向こう側に集まりつつある、でお分かりのはず」

将軍「で、何人必要なのじゃ?」

役人「上様!?」

将軍「人権と言うからには命までは取らんのじゃろう?」

売込「勿論。ただし肉体は生まれ変わってもらいますがね」

役人「それでは・・」(命を差し出したのと同じではないか!?)

役人の方を見る売込

売込「まあ、まあ、これは兵器なんだぜ?それを人間に渡す。それもあの化物を駆逐できる奴をさ。寝ても醒めても武器と一緒の体。これをそのへんの人間に任せられるかい?」

役人「た、確かに。で反乱を起こさない保証は?」

売込「ない。自己決定権の保証は人権だろう?」

役人「上様、このプランは欠陥商品です!」(バカを言うな!)

将軍「軍法じゃ、軍法で裁けばよい」

役人「上様!」

売込「じゃあ、5人。5人志願者がいるな。」

役人「5人?!」(リソースが足りるのか!?)

将軍「反乱が3人以上でないと成功せぬ、か・・・」

役人「貴重なドックを5個同時に数ヶ月ですよ!」

将軍「負傷兵でも良いのだろう?」

売込「ええ、プランでは解体洗浄の上融合させますから。ただ一つ条件がありましてね」

将軍「なんだ?」

売込「これは俺もどうかとは思うんですがね、開発元の責任者がどうしても女性に限ると」

将軍「何か理由が有るのか?」

売込「なんでも見た目麗しい方が良いとか」

役人「なんと破廉恥な、人形なら何でも良いんじゃないのかね」

売込「データがそれしか無いと言ってるんで」

将軍「無いものは仕方がないな」

役人「上様!後で問題になっても知りませんぞ」

売込「で、どうなんですかね?おっとデモンストレーターの準備が整ったようです」

将軍「良いだろう、現物を見せてもらってからで」

役人「ふん、使い物になるのだろうね」


デモンストレーション

開拓政府首都の曇天にふわりと円形の穴が開いく。気がついた道行く人が見上げると・・・

「何だアレは?」

「人間が空から、まてあのサイズは人間じゃないぞ?」

「おい、人だ。手に宇宙服を着た人間が乗っているぞ」

「え?あの巨人じゃなくて」

「右手だ」

ざわつく中、巨人は上空20mほどで止まる。

手にはポーズを決めた宇宙服のデブ

燦然と輝く光の輪に、絢爛な衣装をまとった巨大な美女

美女「登場は優雅に決まったでしょうか」

デブ「十分さ」

見上げる将軍が感嘆の声を漏らす。

将軍「おお、女神よ。成る程な・・・」

役人「どうして浮いているのだ?」

売込「あのサイズだからね。レディの体重は5000トンらしい。 あんたは女神の足跡がほしかったかい?」


驚く人を見下ろしながら電話を取り出すデブ。

デブ「じゃあレディ、彼らにデモを見せてあげて」

美女「そうね、目標は?」

売り込みの電話に着信だ。

売込「すまん、聞きそびれてたわ。ああ待ってな。眼の前に最高責任者は居るからよ。」

「将軍、華麗にデモを見せられる場所はありませんかね?」

将軍「華麗に?」

売込「そう、女神が映える場所ですよ!」

役人「ふん!」


前線

「効力射が効かねぇデカイのが来るぞ!直射砲用意!」

後光に振り返る

「失礼!獲物を横取りさせていただくわ」

そう声が聞こえたと思うと 巨人が颯爽と前線を越えていく

そして槍を軽やかに振るうと、あの砲撃すら受け付けなかったカイジュウがまっぷたつに首を落とされていた。

「何だあれは」

本部「観測班に命ず、あの巨人の動きを注視、報告せよ」

前線「本部、了解。あの巨人は味方なのですか?」

本部「味方だ、君たちには危害はない。」

前線「本部、了解。観測を続けます。」

そんなやり取りをしているうちに、首を落とされたカイジュウとは別のカイジュウが3枚下ろしになっていた。

観測「すげぇ」


前線司令本部ではデブと将軍が司令部将校たちと並んでデモンストレーションを観戦していた。 驚きを隠せないざわつく司令部員を背景にして将軍に話しかけるデブ。

デブ「如何ですかな」

将軍「素晴らしい!これならあの憎きカイジュウ、いや害虫共をこの星から駆逐できる!」

デブ「うむ」

売込「ではご契約を」

将軍「じゃあ君、よろしく頼む。我らが理想のために」

役人「は、迅速に対応致します!」

半信半疑で嫌味たっぷりだった役人も現実を前にして手のひらを反す。


前線を押し上げるニュースに湧く背景、居酒屋

デブ「数が足らん」

売込「でもこれが限界だと」

デブ「奴らの繁殖力を舐めておる、他の大陸から増援が来たらもう耐えられないぞ」

売込「ってもう契約しちまったからなぁ」

デブ「まあいい。守備範囲が狭くなれば逆に守りやすくはなる」

売込「そんな事態になったらゲートが封鎖されちまう」

デブ「そうだな・・・仕方がないあれをやるか・・・」 「この予測を覆す要素はない」

売込「じゃあなんで売り込んだんだ?」

デブ「私の秘策、レディの継続的量産なら最終的には勝てる。時間はかかるがな。」

売込「そうか、でもそれじゃゲートは閉じられちまうな」

デブ「植民星系なんて今は何処でもあるからな。閉じても同盟は痛くも痒くも無いだろう。」

売込「あんたは残るのか?」

デブ「軌道に乗ったら奴らの誕生の地に行くよ」

売込「本気か?」

デブ「本気さ。奴らの誕生の地はおおよそ見当はついてる」

売込「まあ、俺は別のものを売りに回るとするか」

デブ「世話になったな」

売込「じゃあな」


説得

和室の執務室にて

デブ「将軍、これはチャンスとお考えになられては?」

将軍「なんとな?」

デブ「私のプランが通ったとしても今のサプライチェーンではこの範囲に押し込められます」

将軍「ん?この地図では防衛範囲に首都”京”が、首都が入っていないではないか」

デブ「首都はあいにく防衛に最も適さない地形なので放棄します」

将軍「それではゲートが閉じて住民が逃げてしまうではないか!」

デブ「将軍。あなたはこの地に何をしに来られたのですか?」

将軍「かつて地球に有ったという平和の国、日本の復興よ」

「それを今、この儂に問うか?この撤退の瀬戸際と言うのに」

デブ「確かに首都を放棄した時、大半の住人にはこの星は見捨てられ、検疫によりゲートは閉じられるでしょう。しかし、恒星間ゲートが閉じる。これは外界からの干渉をなくす事でも有るのです」

将軍「・・・・鎖国と申すか」

デブ「・・・私のプランでは”防衛”は出来るのです」

将軍「成る程持ち出せるものは守れると言うのだな?しかし領土の大半はカイジュウ共に明け渡せとな?」

デブ「ですから、私めのプラン、”里”であれば、時間はかかりますが惑星全土から奴らを駆逐出来ます。私のプランを取らないのであれば・・・・」

将軍「儂は地位を捨て、星とともに夢も消えると申すか」

「よかろう。”里”を作るまでにどれだけ時間を稼げばよいか?」

デブ「将軍・・・」

将軍「儂の役目じゃ。色々約束をしてきたのでな。で、どうなのじゃ」

デブ「最初の5人が仕上がる2ヶ月、それから半年あれば」

将軍「努力しようぞ」


籠城戦

プロジェクト”里”の実行計画が承認されてより、2ヶ月後 最後に残された里近隣にある軌道エレベーター基部。

元役人「上様、申し訳ありません」

将軍「お前にも人生が有るだろう。よくここまで付き合おうてくれた」

将校「上様、奉行より入電!”長篠はもう持たず”とのことです」

将軍「行け、ゲートは直に閉まる通告が来る」

「おい奉行達に伝えろ、”籠城戦の準備に入れ”とな」


ドックから5体の巨体が這い出してくる。

レディ「あら、イモい感じね。いいのよ、これからの仕事は本当に害虫駆除なんだから。泥臭いにも程が有るわ」

新人「先輩、アイツラを今すぐ殺らせてください」

レディ「ええ、幸いなことにこれから次の新人が入ってくるまで24時間休み無く、それは出来るわ。でも、軍人だもの指示には従って頂戴」


カイジュウ、というよりその取り巻きを粉砕するべく砲撃が響き渡る前線。

指示役「撃ち方、辞め!女神が来るぞ!」

うぉぉぉぉぉ!(歓声)

後光を背負った美女が前線を優雅に跨いでいく。 そして一閃

兵「すげぇ、バターみたいに切り刻んでる」

兵「槍の先端はどれぐらい速度が出てるんだ?」

兵「直射砲の数倍は出てる。なんなんだあの槍は!?」

兵「衝撃波だ、くるぞ!」


砲撃の音がかすかに響く、会議室。

奉行「レディ、もとい何と呼びましょうかな?」

老中「女神では軍が使役するには相応しくないな」

将軍「カンムスではどうじゃ」

奉行「聞き覚えのない単語ですな」

将軍「艦娘じゃ。一世を風靡したという文化の香りじゃよ」

老中「あの外観、大きさだ都合がいい。カンムスでいいな」

奉行「して、カンムス5名により前線が一時的に安定を見ましたが、偵察によると敵の増援が続いているとのこと」

老中「国庫も空だ。打てる手は打った。しばらくは耐えるしか手はない。」

将軍「やはり、ここも持たぬか」

奉行「残念ながら、もうこれ以上は難しいかと、もって3日」

将軍「データの移送はどうなのじゃ?」

老中「もう”里”にほぼ運び終えとる」

奉行「将軍もご承知でしょうが、わが軍も有志が残っているだけです。兵の家族も脱出が進んでおり、脱走者も相次いおりまして、その…」

将軍「この状況で責めるのは酷じゃ。どう見ても負け戦じゃからな。」

老中「上様、もしや」

将軍「儂は心中などせんぞ。ここで生き残ってみせるのじゃ。それよりも脱出せぬ民はどうなっておる?」

奉行「貧民や保護者の居ない子供ですな。なんとか救出し、”里”へ集めております」

将軍「ならよい、彼らは今後必要な国民じゃ。人が居らねば奴らを駆逐したとしても乗っ取られかねん」

老中「かと言って不埒な輩が他の星系からやって来ないとも言えぬがな」

将軍「奴らを前に我らが奮闘している間は大丈夫じゃ、何よりカンムスもおるではないか」


”里”と呼ばれるカンムス、70m巨人族の量産所

謎「目が覚めたかしら?体の調子はどう?」

X「大丈夫です」

謎「ここは仮想空間ではないわ。現実よ?さ、体を起こして」

X「重い…」

謎「そうね、ジェネレーターの接続を終われば軽くなるわ」

X「状況は?」

謎「ゲートは閉じられたわ」

X「そう」

謎「でも残ってる国民たちには私達が希望なの、さあ立ち上がって」


里の煤けたプレハブ小屋で執務に当たる3人。他に人影は見当たらない。

将軍「エネルギー供給は十分だな」

奉行「軌道エレベーターの防衛も成功しました。最後の大枚を叩いて購入したジェネレーターを動かす分には十分です」

老中「こうして働いてると昔を思い出しますなぁ」

将軍「もうマトモなバックヤードは儂らぐらいじゃしな。」

奉行「救出した居留民に今各種職業訓練をしてますがまだ時間が」

将軍「よいよい、幸い戦線は安定した。」


”里”のラボにて今後の予定を話す将軍とデブ

デブ「最終的には週7名のカンムス配備が目標です」

将軍「そんなにか!?ジェネレーターの数は足りんぞ?」

デブ「カンムス単体でも一定時間は高機動が可能です。」

将軍「ならよいが、そんなに配備してどうする?」

デブ「彼女らは全土に配備し、怪獣の駆逐に従事してもらいます」

将軍「そうか、戦線を押し上げるだけでは駆除は完全ではないと」

デブ「ええ、特効薬を開発するまではこの種族の駆除は難しいでしょう。」

将軍「なるどあのカイジュウどもさえ駆逐できれば対処は容易いと」

デブ「まだ問題はあります。菌糸として広がる奴らの基礎です。これには改造生物を当てます」

うねうねと触手を頭につけた犬サイズの何かがやってくる。

将軍「なんぞ、この犬のような化物は」

デブ「彼らが食べて回ります」

将軍「奴らを食べるとな?」

デブ「最終的にカイジュウを生み出す菌糸から小型の動物まで、彼らが根こそぎ食べてしまいます。実はこの改造生物は奴らと地球型生命体のハイブリッドです」

将軍「そんなことして大丈夫なのか?」

デブ「人類の品種改良とさして差はないですよ。変異してもあのカイジュウにたどり着く前に駆除は終わります。彼らが食べ終われば、本当に駆除が終わり、再び入植できるようになります。」

将軍「ならば仕方ないの」


TV「漸く、半年の上洛作戦を完遂し我らが首都、京が解放されました!カンムス達の勇姿をご覧ください!」

TVを眺めつつ、小規模亜空間ゲートを介して電話をするデブ

売込「無理だとさ。同盟は少なくとも100年はそっちの星系の恒星間世界に接続を禁止する評定を出した」

デブ「そうか、だがこちらは計画通りだ」

売込「欲しい物が有ったら言いなツケといてやる」

デブ「ゲートも回線しか無いのにどうするんだい。将軍もこれ幸いと建国に励んでるよ」

売込「金さえ積んでくれれば、探査船で密輸だってするぜ?まあ、その調子じゃお呼びじゃないようだな」

デブ「僕もそろそろレディと次の場所に行こうと思っててね」

売込「売込先が見つかったら声かけてくれよ」


荒れ果てた首都の執務室に集まる3人。

将軍「残った人口は1500人足らずか」

老中「カンムスによって土地が開放されても住む人間が全く足らんな」

奉行「血の濃さ、遺伝子プール上は問題はありません。食料も暫くは軌道上からのエネルギーでまかなえます」

将軍「不老不死の技術も失われてしもうたから次世代をなんとかせねばな」

老中「ここが踏ん張り処じゃて」


出立

オービタルリングと軌道エレベーターの先に有る、静止衛星軌道上のステーション。

将軍「行ってしまうのか?」

デブ「私はここで自身のプラン実証が出来たことを感謝します」

将軍「儂も生き残る僥倖じゃった」

レディ「調査船の出港時間よ」

デブ「それでは彼らの故郷を探しに行きます」

将軍「もう会うことはないだろうが達者でな」

デブ「将軍も。では」

見送りに二列に並び、整列敬礼する8名のカンムス。 そしてレディの手に載って敬礼するデブ


ここは調査船内部。

売込「で?金は持ってきたか?」

デブ「奴らの遺伝情報と反応系データだ。どうだ?」

売込「いいだろう。でも事実上の漏洩だな」

デブ「敵を知り、己を知れば百戦危うからずだよ」

売込「ちがいない。で、行き先は分かってるのか?」

タブレットを出すデブ

デブ「だいたいこの辺りだな」

売込「あいよ。金はもらったからな。行くぜ。」

使い捨てワープゲートを展開し、出立する深宇宙調査船


そうして、星の海にデブは消えたのさ この70m巨人族とその眷属、妖精さんと何処にでも居るしがない人類を残して

オンライン同人誌即売会が難しい理由考

※これは私の持つ知識から導き出されるものである。何か調査をした訳ではないので悪しからず。

同人即売会をオンラインでやればいいというアイデアはインターネットを知っていれば自然と湧き出す物だと思う。 が、現実としてはオンラインで同人誌即売会は芳しくない。何故だろうか。

考えうる障害

次の問題が障害になっているのではないか。だいたい次が思い当たる。

  • イベントの特性
  • 通信インフラ
  • 設備システム
  • 法的問題
  • 金銭的問題
  • 課金インフラ
  • 著作権保護
  • 通信の秘密
  • 人材供給
イベントの特性

まず、東京のビッグサイトで行われるイベントを想定する。 そうするとこれは何なのか? ここにわざわざ行くのはやはり一種のお祭りだからと言うのがある。 じゃあ、お祭りとはなんですか?

  • 人が集まっていることを実感できる
  • 周りの人間を観察できる
  • 会場の雑踏、雰囲気を味わえる
  • 予期しないものが目に入る
  • 気軽に他人に話しかけられる

以上からやはりVR空間相当でないと厳しい事が予想される。 もちろんMMORPGのように作り込んでも良いのだが。

何がいいたいかと言うと、技術書典のオンラインイベントのように

  • 一般参加者にログインを要求する
  • ブースがただのオンライショッピングサイト
  • 他の参加者は見えない、会話できない

という形式ではわけが分からない。やる意味あるの?と。全くお祭り感がなく、まだコメント書けるPixivの方がマシだと思う。

通信インフラ:

参加者の通信インフラがショボい(スマホしか持ってない)

サービス提供側はこの辺りはパブリッククラウドの登場でだいぶ緩和されたように思われる。

設備システム:

参加者がスマホしか持ってない。VR機材無いんだから仕方ないやん。 同様に、PCやタブレットがあってもショボい可能性は否定できない。

法的問題:

イベントをオンラインでやると、参加費を取る以上、風営法の範疇に入ると思われる。 今までお目こぼししていたなにかもここではどうなるかわからない。 また、資金移動事業者ともなればまた倒産時の保証用積立金や、犯罪収益防止法の管理も必要になると思われる。

課金インフラ

厄介なのはここで、どうするんだよと。 素直に長い物に巻かれてクレカ決済をすればいい?クレカ会社が獣姦ものの同人誌に許可してくれるかな? 事実上、諸外国のポリコレ棒で叩かれて決済を通せないだろう?常識的に考えて。 じゃあ、circle.msの様に内部ポイントを持つのか? そうなると資金移動業者になるし、国に届け出が必要になる。 それでもこのイベントが怪しいとクレカ会社に見られればポイントさえも断られる。

あと、国税局から売上が可視化されるので迂闊に大金を稼ぐとすぐ足がつく。まあここはルーズな参加者には厳しいわな。

著作権保護

ここも参加者で合意が取れない気がしてならない。

見本誌どうするの? フル解像度で出せば、コピーできてしまう。フル解像度はなしとかウォターマークを付けるとかか。 でも情報はコピーできるのでそれで満足してしまう人間が多くなるかもしれない。 やりたい放題の外国人業者はさっさと外で売り始めるだろう。

現行のイベントであれば紙なり記録媒体を物理的に頒布する、物理媒体のコピーに価値はない的なものは原則コピー可能なためすべてなくなる。 ここで文化抹殺手段であるDRMが必要だとか、ストリームで売りたいとか、いろいろ出てきて頒布を受ける側は相応の文化変更を強いられる。

頒布形式は頒布者の自由なんだけど、DRM付きとか悪夢だし、noteの様なオンラインサイトに有るからいいだろ?も 結局アクセス履歴で足跡が残るを考えると微妙なのである。(まあローカルにコピーすればいいと言えばいいが、誰がが買ったかは外部漏洩しうる欠陥がある)

図書館宣言ともかぶるが、統治、治安維持の観点で思想調査を警察は出来たらしたいと思っているので、 憲法にある思想信条の自由を鑑みれば基本、令状なしで誰が買って見ているなどを警察に漏らしてはいけない。 ここは運営の本気度、情報の頒布に対する理念が問われる所なのだが 園児ニャー営利企業だとその辺り社長が情報は漏らして当然のゼロプライバシー主義者だったりで非常に希薄なので心配である。

とはいえ、映り込みなどでは法改正で喧嘩はできなくなったので、一歩進んだのかもしれない。

通信の秘密

ここが多分本丸で、政府が良からぬものと法規制対象ではないものを入手したとして 追跡する事態が発生しうる。このへんも物理開催であれば当事者同士でやってくれで済んだものが、開催者側にも 当局からの令状なし照会要求が発生しうると考えられる。

人材供給

多分、コミケクラスでもそれなりに苦労するんじゃないだろうか

コミケのスタッフは確かに練度は高いが業務内容の知識は技術体系的に高度なものは要求されない(とスタッフはやったことはないので勝手に思ってる)

ITシステムとなるとそれなりに面倒くさいIT知識が要求される上に、そのレベルの人間を供給できるのかと言うのはあって システムの一生問題がつきまとうようになる。年数回の開催のために相応にテストも必要になる。

ただ、会場運用の違いはあれど大まかな機能は同じなので何処かがサービスインしたら出来るのではないだろうかという気はする。

ただ、その場合、情報流通の自由に関する理念は開発会社側が理解せず作り込んでいる可能性を考慮しなくてはいけない。 そう、FBのようにプライバシーロスト状態になる、直ぐに警察が踏み込んでくる、炎上で吊るし上げられる等が想像される。

理想のオンライン同人誌即売会

多分、次の要点を抑えると良いのでは

  • 参加者が見え、雑踏表現してお祭りで有ることを演出する
  • 参加者どうして会話が可能
  • 風景として同人誌がブースが見える
  • ピコ手にも優しい、決済手段名寄せできない電子決済が統一して完備されている
  • 買ったものを運営にも把握されず匿名で入手する方法がある
  • 一般参加者の業務上必要な個人情報は握らない
  • 運営はできればプロバイダー責任法の免責条項に適合する体制にする
  • 運営はできれば憲法に有る通信の秘密による免責を受けられる通信事業者法に適合する体制にする。

同人即売会が愛されるのはそこにアンリミティッド、制約はやる気と体力と時間だけと言う商業では出来ない情報が有るからなんですよ。 だから、出来る限り他人の人権を侵害する以外の理由で制約されてはいけない。(著作権だけは毎回もにょる)

法規制に関して

この国には憲法に通信の秘密がありながら、 残念なことに違法情報という概念が存在する。

なので、運営側は頒布物に関しては事前に検閲をせざる得ない。とても残念なことだが。 (どうやれば役務上関係ない通信内容を覗けない通信業者ですという言い訳は通用するだろうか?)

BookmarkletをWebpackで作る

それって意味有るの?

ある。正直手でBookmarkletを書くのはしんどい。 規模が大きくなればなおさら。 とは言えFirefoxを基準に26kbあたりまで書くとなるとしんどい。

qiita.com

手書きBookmarkletがしんどい理由
  • ファイル分割してClassごと別にして処理を使いまわしたい
  • 改行制御を考えたくない
    • IED(VScode)でESLintやPrettierの恩恵を受けたい。勝手に改行される。
    • Git、Githubで差分管理をしたい。ここを1行だと差分管理は難しい。
実際にできるのか?

できる。 消す処理を

  • Webpackでビルドして
  • Terserでコメントなし、minifiyでいける。 ただこの場合、外部ライブラリ利用のライセンス違反の誹りは免れない。
  • コメント付きの場合でも、URLの//を除いてコメント消す処理を入れて改行を半角スペースにするなどでなんとかできる。
テクニック

ただ、それでものほほんと書くとすぐ23kbを越えてしまう。 なので、くだらないが努力が必要である。

  • TerserのMinifyを見ていくと最適化されない部分が有る
  • その最適化されない部分を手でなんとかする。
  • 対象はリテラルとプロパティ名(メソッド名)である
  • わかりにくさ覚悟でプロパティ名は1文字〜に短縮していく。
  • 出来るだけ機能限定、自作ライブラリを基本とし既存ライブラリは極力手を出さない。
  • cssは諦めろん
  • 試していないが、function()はうざいので()=>{}への書き換えはできると思われる。
  • console.log?やめろ!
  • documentとかWindowは1文字変数に入れておけ
機能拡張

結局Chrome以外はMB級のVue.js+Veutifyなどと言うライブラリをブックマークレットは使えない。 また一部にはWebpackに入れることが出来ない古いライブラリ、zlibjsやらライセンス表記違反の可能性も有るので やはりiframe等で本体を召喚してそちらで処理をするのが良いように思われる。

ブックマークレットの構成としては次のようになる

  • fetch:ドメイン内にリクエス
  • iframe:本体ページを召喚
  • postMessage:iframe側と通信
  • ※CORSで取得したデータをjsとして実行した瞬間ブラウザから蹴られるので注意。
限界点

次の対策を取られたセキュリティに意識の高いページではそもそもブックマークレットは使えない

  • CSP(Content Security Policy)がhttpヘッダーに設定されており、使えるスクリプトが限定されている

ただ、同じドメインにCSPを設定しないXMLJSONAPIエラーパスが有れば回避は不可能ではない

  • エラーページでブックマークレットを発動
  • iframeで目的のページを開く
  • ifarmeをjsで操作
  • 本体はもう一個別のiframeを表示してエラーページ上でバイパスする

等である。もちろんクリックジャッキング対策でiframe呼び出しを禁止されて無ければだが。

以上

可能性はある。 しかし厳しいサイズ制限が有るので単体では完結しない。iframe必須。 iframeがないとかなり厳しい。 幸いなのが、IE対応サイトのかなりの部分はCSPの設定もなければiframeも使える。

さてはてコレデイイノ感は拭えないけどね。